哈囉〜(Hā luó=台湾人がよく使うフランクな挨拶言葉。英語のHelloの意)春風です。
中国語で車道のことを馬路(Mǎlù)=馬が走る道と言いますが
もちろん馬車は見かけず。
台湾人の運転マナーは日本に比べて非常に悪く
気をつけて歩かないと命がいくつあっても足りません。
以下、台湾の交通事情について考察します。
台湾は車優先社会
車優先の台湾は日本とは逆の左ハンドル・右側通行です。
台湾中央政府交通部の発表によると
台湾における2023年中の交通事故による死亡者は3,023人、1日あたり約8.3人。
対して、日本政府内閣府の発表によると
日本における令和3年中の交通事故による死亡者は2,636人、1日あたり約7.2人。
台湾の全人口は約2,300万人で、日本の約6分の1。
つまりこれらの統計が示すのは
台湾の交通は日本の6倍以上危ないということです。
信号機の笑えない小話
私の妻で台湾人のエイミーが冗談で曰く
日本と台湾では紅綠燈(Hónglǜdēng=信号機)の
青・黄・赤がそれぞれ示す意味が違うとのこと。
- 日本の信号機:青→進め 黄→注意して止まれ 赤→止まれ
- 台湾の信号機:青→進め 黄→進め 赤→気をつけて進め
馬路を走る車両は多い順に、バイク・乗用車・タクシー・バス、そして自転車。
それぞれどのような交通事情なのか、台北を中心に考察してみます。
バイク
初めて台湾を訪れた方の中で、バイクの多さに驚いた方も多いのでは。
何を隠そう、台湾は人口に対するバイクの保有台数が世界ナンバーワン。
以下動画は、朝のラッシュアワー時に新北市三重区から台北市内に入る橋の様子。
もはや恐怖とも言えます(音量注意)。
日本で言うところの原チャリは台湾で販売されておらず
150CC以上のバイクが最も一般的です。2人乗りもOKなので
気軽で便利な乗り物として多くの人に愛用されており
岩の間を流れ落ちる水が如く
信号待ちの車と車の隙間をぬってスルスルと前へ進軍します。
これほどバイク所有者が多いので、必然的に街にはバイクの販売修理屋が乱立。
また、台湾南部に行けばヘルメット着用率と信号順守率が低くなります。
2人乗りOKと書きましたが、実際は1人+1匹(犬を足元に載せている)だったり
3人乗り(2人乗りして、子ども1人を運転手の足元に立たせている)や
4人乗り(運転手の足元に子ども1人、運転手と後部座席の間にもう1人)も。
以下、こんな猛者も。
そこは歩道です。
旅行前に事故ったらどうする。
目的地をはしごしてる場合かい。
テレビよりタクシー代の方が高いの?
これらは全て明らかな交通違反です、良い子はルールを守りましょう。
乗用車
日本では歩行者を始めとした弱者優先なので
安心して横断歩道を渡ることができますが
台湾では先を急ぐ乗用車やバイクが食い気味に横断歩道に突っ込んできます。
歩行者が横断歩道を渡る際に停車しなかった乗用車には
多額の罰金が課されることになりましたが
それでも止まってくれる人は少ないのが現状です。
優しい人が多いはずの台湾なのに運転が荒く
迷惑駐車やスピード超過は当たり前。
非常に残念なことに
道路を横断しようとして交通事故に遭い亡くなった日本人もいます。
後方からクラクションを鳴らして無理に追い越したり
皆が好き勝手運転すると大渋滞が発生するので
幹線道路の大きな交差点には毎日ラッシュアワー時に警察官が立ち
交通整理しなければならないほどのカオス。
日本台湾交流協会が出している交通情報を参考に、お出かけは十分お気をつけください。
タクシー
初乗り85元(約380円)と日本より格安で、台北市内だとそこら中走ってるので
荷物が多い時や天気が悪い時など、ちょっと不便な時の移動にピッタリです。
乗車してきた私が日本人と知ると、親しく話しかけてくる運ちゃん多数。
日本の○○に行ったことがある、日本の△△がすごいなど、話題に事欠きません。
しかし、ごく一部ですがマナーの悪い運転手が多い。
日本のタクシーは
「いかにお客様を安全に目的地までお届けするか」が第一ですが
台湾のタクシーは
「いかに奴を速く目的地まで連れて行くか」が第一と考える運転手もいて
見境なく町中をガンガンとばすため、肝を冷やしたことが何回もあります。
特にタクシーの外観が汚い流しの個人タクシーには乗車しないようにしましょう。
タバコやビンロウを吸いながら客待ちしている運ちゃんも要注意。
必ず履歴が残るように、ホテルのフロントかアプリ経由で予約する方法が無難です。
台湾南部など地方に行けば、そもそもメーターを載せていないタクシーもあるとか。
バス
台北市及び新北市は沢山のバスが走っています。
初乗りが85元のタクシーに比べ、台湾の交通系ICカード
『悠遊カード』で片道15元から利用できるバスは正に市民の足。
通勤通学に加え、お年寄りから子どもまでたくさんの人に利用されています。
現金でバスに乗車する場合
おつりは出ませんので乗車前に小銭の有無を確認しましょう。
初心者にはかなりハードルが高いですが
利用できれば移動範囲が格段に広がること間違いなし。
停留所にてバスを待つ人は、自分が乗るバスが近づいてきたら手を挙げるなどして
バスの運チャンに乗車する旨アピールしないと停車してくれません。
客の乗車後、席に座る間なんてお構いなし。その最中に走り出します。
バスを降りる際も、下車ボタンを押して早めに乗降口近くに行かないと
運チャンは降りる人がいないと思い込んで、バス停を通過してしまいます。
運転の粗さはここでも健在。急ブレーキに急発進で事故を起こす場合も。
筆者が乗るバスが前を走るタクシーと接触事故を起こした時の写真です。
事故を起こしたバスはその後警察から現場検証を受けなければならず
乗客は全員有無を言わさずバスの運ちゃんから下車を命じられました。
もちろん支払済のバス代金は返って来ず。トホホ。
自転車
台湾の交通の中で最も利用者が少ない自転車ですが
市民の健康増進を目的に、レンタサイクル『Ubike』が普及しています。
台湾の交通系ICカード『悠遊カード』をかざして気軽にレンタルできる自転車で
特に台北市内はレンタルポートがそこら中に設置されているので超便利。
台北市内を流れる川に沿ってサイクルロードを走れば、頬をなでる風が気持ちいい。
週末何も予定がなければ、運動がてら是非試してみてください。
あとがき
表題の通り、台湾の交通はリアルマリオカートの世界。
残念なことに、緊急車両が近づいているのに
スピードをゆるめず交差点に入るバカタレドライバーがいます。
譲り合いの精神で、弱者を社会全体で守った古き良き時代は、疾うの昔か。
ここまでまとめてきて、いたずらに不安を煽るわけではありませんが
お出かけの際は十分お気をつけください。
では、881〜(Bābāyī、台湾でポケベルが使われていた当時バイバイの意)
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