台湾の伝統的な結婚式に参列!どんな儀式が?

台湾の文化

哈囉〜(Hā luó=台湾人がよく使うフランクな挨拶言葉。英語のHelloの意)春風です。

話は、まだ私が台湾生活を開始したばかりの2012年秋口。

台湾西部苗栗県に住むエイミーの従兄弟が結婚するとのことで

理由は後述しますが、ある理由でどうしても男手が足りないから

式と披露宴に参加して手伝ってほしいとエイミーに頼まれたので

初めて台湾の結婚式に参加できると、好奇心まる出しで参列しました。

当時まだエイミーとは交際中で、エイミーの親・親戚とは初対面。

本記事はそのエピソードと共に台湾の伝統的な結婚式を紹介します。

(以下、新郎新婦から幸せのお裾分けで、いつもより多く写真に♡が出現します)

親戚と初顔合わせ

エイミーと台北駅から電車に乗ること約2時間。

竹南駅に到着し、親戚のおじさんに車で迎えに来てくれました。

エイミーの従兄弟で新郎のダレンさんの家に到着すると

親戚一同翌日の結婚式と披露宴の準備でかなり忙しそう。

エイミーの彼氏として初めて親戚に紹介されたところ

一同から家族同然に迎えられ、想像していたアウェー感は皆無。

新郎のダレンさんから

「わざわざ来てくれたのに、忙しくて相手できなくてごめん!」

 明日は色々お願いすることになるからよろしく!」

何のことか分からずポカンとしていると、エイミー曰く

台湾の習俗で干支が虎の人は結婚式への参加がNGらしく

(披露宴には参加可能)

エイミー親戚の男衆の中には寅年の人が多く参列できないため

必要な男手を確保するため、今回私に白羽の矢が立ったわけ。

聞いたら、結婚の儀式で重要な任務を任せる予定との由。

プレッシャー半端ないんですけど。

この日は早めのご飯とお風呂をいただいて、すぐに就寝しました。

結婚式当日

台灣の結婚式当日の朝は早い。

親戚一同6時に起床、準備していたそうです。

結納の品と、二人が初夜を迎える部屋。

なぜかカーテンに1000元札がホッチキスで留められています。

見学しながら撮影をしている内に『結婚の儀式』がスタート。

内容が複雑で、色々小さいことまで説明すると大変な作業になるので

簡潔に分かりやすく時系列でイベントを記します。

①新郎が新婦を迎えに行く

新郎は自身の親戚が運転する車に乗り新婦の実家へ

新郎側の他の親戚も別の車に乗り込み、爆竹を鳴らしながら同行

(中華圏の文化で縁起のいい日に爆竹を鳴らす)

②指輪とネックレスをそれぞれ交換

新郎が新婦宅へ到着した後、両家の親が立ち会いのもと

双方がそれぞれ準備していた指輪とネックレスを交換し誓いのキス

③新婦が自分の母親にご飯を食べさせる

私、お嫁に行きます。これでさようならという意味

④新婦が新郎の車に同乗し新郎宅へ

新郎の親戚が運転する車に新郎・新婦が乗り新郎の家へ

新郎側の他の親戚も別の車に乗り込み、爆竹を鳴らしながら同行

⑤新郎宅へ到着

新郎宅に到着後、新郎側の親戚から下車を促され、家の中に入る

⑥新婦の面通し

新郎・新婦は新郎側の親族に結婚の報告をして

新婦が新郎側の親戚にお茶と紅包(Hóngbāo=お祝い金が入った赤い袋)を配る

⑦結婚を許され記念撮影

親族一同から結婚を認められ、新しい家族の仲間入り。

恭喜(Gōngxǐ=おめでとう)!

実際はもっと趣向が凝っていて、正直ここでは書き切れません。

また、台湾国内でも地域毎に儀式の進め方や方法が多少違ったりします。

私の任務は

この一連の儀式が進行する中、私はというと、何と!

1と4で、新郎の親戚の車に乗り込んで爆竹を鳴らす

5で、新婦に「嫂嫂,請下車(Sǎosǎo, qǐng xiàchē.)。」

と言って下車を促す、という身に余る大命を仰せつかりました。

爆竹は、導火線にライターで直接火をつけるのではなく

車の窓から手を出して線香を焚き、その弱い火種で点火します。

実は1・4の爆竹を鳴らすタイミングが非常に難しいんです。

いずれも新郎宅 → 新婦宅 → 新郎宅の出発・到着の度に鳴らし

またその道中で橋を通過する際、通過直前に鳴らす必要があります。

爆竹を片手に緊張しまくりまクリスティ。

儀式が無事に終わり、披露宴が行われる会場に着く頃にはドッと疲れが。

披露宴も台湾スタイル

日本の結婚式場と違い、だだっ広い一間の会場を3~5区画に分けて

それぞれのエリアで他人の結婚式が行われています。台湾スタイル。

日本のように『○○の間』のような感じで部屋を大別するのとは大違いで

壁が無いので、隣の披露宴で行われている賑やかな宴席がうるさい。

司会者がマイクで参列者を煽りまくっています。

フライングして料理を食べ始める人。台湾スタイル。

紅包(Hóngbāo=お祝い金が入った赤い袋)受け付けのサイン。

紅包は受け付けたその場ですぐに眼の前で開けられ

誰がいくら包んだのか名簿に記入されます。台湾スタイル。

受け付けの隣には、新郎・新婦の前撮り写真が飾られていました。

見ているこちらが恥ずかしくなるぐらいの演出で撮影されています。台湾スタイル。

予定の30分遅れで、生のバイオリン演奏と共に披露宴がスタート。

新郎新婦のスライドショーや、壇上での掛け合いなどは日本とほぼ同じ。

そうこうしている内に、次々と料理が運ばれてきました。

地鶏がまるまる一匹入ったスープ。

楽しい時間は過ぎるのが早いもので、宴も酣で披露宴がお開きに。

参列者に配るお菓子に混ぜてタバコを配る。台湾スタイル。

無事に結婚披露宴が終わり、親戚一同一安心。

紅包の金額は偶数

夕飯は仕出し弁当を家族の一員となった新婦も含めて皆で食べることに。

改めて私からの祝儀を紅包に包んで新郎・新婦にあげようとすると

「今回は式の準備で忙しくお前を歓待できなかったので受け取れない」

と断られ、逆に爆竹班任務のお礼として紅包をいただくという始末。

と断ろうとすると、エイミー曰く

「台湾の結婚では、親族が紅包をもらうのは普通のことよ。

 新郎新婦の幸せを願いつつ受け取らないと、逆に失礼になるよ。」

というわけで、この紅包は潔くお礼を言って受け取り

次回苗栗に遊びに行く際の交通費をして使うと約束しました。

ちなみに、紅包で包む金額は「4」を除く偶数がよいとされています。

理由は

「四(Sì)」は「死(Sǐ)」と発音が似ていて縁起が悪いので避け

偶数は奇数より優れていて運気を高めてくれると考えられており

「六(Liù)」は「流(Liú)」と発音が似ていて「順調」

「八(Bā)」は「發(fā)」と発音が似ていて「財をなす」

をそれぞれ連想するため、「6」「8」が使われることが多い

また、日本で歓びの日に使われるご祝儀袋は白色ですが

台湾でお金を入れた白い袋はお葬式の御仏前を連想するため

台湾での使用は避けましょう。郷に入っては郷に従えで。

あとがき

良くも悪くも、結婚は個人同士ではなく両家親族も含めた一大イベントで

やはり当事者が一番大変、新郎・新婦も式を終えて帰宅後グロッキー状態。

というわけで、台湾の結婚披露宴に初めて参列し貴重な経験になりました。

改めて、新郎・新婦のダレンさん夫妻末永くお幸せに!

では、881〜(Bābāyī、台湾でポケベルが使われていた当時バイバイの意)

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