哈囉〜(Hā luó=台湾人がよく使うフランクな挨拶言葉。英語のHelloの意)春風です。
学生時代に教えを受けた先生について、以下の「あるある」はありませんか?
- この先生教え方が上手で、独特な暗記法を今でも覚えてる
- この先生怒ると怖いけど、授業がめちゃ面白かった
- この先生優しくて、放課後質問に行った時丁寧に教えてくれた
- この先生授業が分かりやすくて、この科目の成績が上がった
- あの先生言ってる事意味不明で毎回寝てた
- あの先生気持ち悪くて生理的にムリだった
- あの先生授業超つまんなくて、授業中手紙回ししてた
- あの先生黒板の字が汚くて、「シ」と「ツ」が見分けられなかった…etc
運良く指導力が高く面倒見のいい先生に巡り会えれば
その科目に興味が湧き自ずと成績が上がっていくもので
台湾の語学センターで中国語を学習する場合も全く同じです。
先生の良し悪しがモチベーションに大きく関わってくるので
中国語学習のうえで、自身が理想とする先生を選び出すことは
努力して自学するのと同様に重要と言っても過言ではありません。
本記事では、私が台湾師範大学国語教学センターに在学した当時
担当してくださった先生方の良し悪しエピソードを紹介します。
学校側は基本先生に丸投げ
大元となる指導要領とカリキュラム進度には原則があるものの
良くも悪くも先生によって教授法や授業の進め方が全然違います。
運良く自分の勉強のやり方と、先生の教授法が合っていればいいですが
授業の進め方に納得がいかなかったり、先生の個性とソリが合わない場合は
学期が始まったばかりの一定期間内であればクラスの変更が可能ですが
それを過ぎれば基本的にその後3ヶ月間はクラス変更は認められません。
よって、クラス変更可能期間に様々な先生の授業をできる限り受けてみて
妥協することなく自分に合った先生を探し出しましょう。
W老師の場合
私が最初の学期でお世話になったのはおばあちゃんW老師で
パワーポイント無しで教科書とホワイトボードだけを使った授業。
授業中にあるスイッチが入ると。、話が突然脱線して別の話題になり
早口の中国語で授業と関係ない内容をノンストップで説明しまくります。
ある日の授業で字形についての話を始め、その後30分オンステージ。
中国語に関するサブ知識を色々教えたつもりなのでしょうが
そのせいで1時間で教科書2ページしか進まないこともしばしば。
話が過ぎて教科書を全然消化できず、残りは全部宿題!ってオイ!
またある時は、ふとした瞬間に芸術に関する観光地の話題になり
その観光地が如何に素晴らしいか、地図付きで解説してました。
いやいや、Google Mapありますから。
普段の授業の中で中国語の文法をそのくらい詳しく説明してよ。
終いには、学期末までにカリキュラムを終えることができず
「残りは各自テスト前に自分で勉強してね!てへっ」という始末。
期末テストの結果が散々だったのは言うまでもありません。
S老師の場合
私は幸いにして、その次の学期からパワーポイントを使った教授法で
授業も非常に分かりやすい40代女性のS老師に巡り合うことができ
その後中国語の大幅な上達を実感することができました。
S老師は、お話好きで授業が非常に分かりやすいです。
- 教科書本文の内容把握の問題
- 新出単語を使った文章作成
- 教科書の文法に即した文章作成
の宿題が毎日それぞれ出されます。
宿題は多めですが、S老師の教授法は非常に明確で分かりやすく
べしゃりもおもしろいので、クラスメートも皆好きと言っています。
S老師は授業の進度を守りつつ、重要な文法や言い回しに時間をかけて教え
重要でないものについてはサラッと触れるだけと、メリハリ効いてました。
生徒とのコミュニケーションを大事にし、努めて対話形式で問題・課題を出し
時には生徒のボケを含んだ回答に皆で大笑いしたりと非常にいい先生でした。
また、私がその後台湾奨学金の申請及び台湾大学大学院を受験する際
S老師は快く推薦状を書いてくださり、先生には足を向けて寝られません。
こんな先生には要注意
上述したW老師とS老師は、私が遭遇した単なる一例に過ぎませんが
私が2年間語学センターで中国語学習のため授業を受けてきた中で
特に注意すべきな先生の特徴を以下にまとめます。
※あくまで個人の感想です
①授業時間を守らない
授業が始まる時間に5分以上遅れてきたり
休み時間を知らせる鐘がなっても無視して授業を続ける先生。
↑写真はイメージです
座ったまま外国語を長時間聞くという行為は想像以上に疲れるので
貴重な休み時間にはリフレッシュが必要。メリハリ大事です。
②教授法が古過ぎ
年齢が若い先生だと、パワーポイントを準備して文法を教えたり
視覚的に学生に訴えて理解度を上げる工夫が随所に見られますが
割と歳のいった先生に多いのは、旧態依然の教授法よろしく
「教科書の本文及び単語を気合で全て覚えてこい」の一点突破型。
デジタルネイティブの現代人に対し原始的な教授法で教えては
上達するものも上達しません。
③高圧的な態度で生徒の回答を待てない
クラスメートの中には進度ついていくのが大変な学生もいて
そういった生徒にも容赦無く質問し、答えを引き出そうとするも
生徒が聞き取れないでまごまごしていると、先生の顔つきが険しくなる。
生徒が頑張って発言しても、単語の発音が悪く聞き取れない場合は
「あんだって?何を言ってんだお前?」
と、眉間にしわをよせてケンカを売っているような表情に。
(↑この態度、台湾人に結構多いです。決して悪気はありません)
先生のこの種の言動は、生徒に恐怖とプレッシャーを与えるだけでなく
発言する勇気を著しく削いでしまいます。結果、授業終盤に先生が
「有沒有問題?(Yǒu méiyǒu wèntí)=何か質問はありませんか?」
と全体に問いかけてもクラスの雰囲気は悪く、質問する者はいません。
学期終わりの教師アンケート
とは言え、学校側も人気のない先生の処遇を諦めているわけではなく
学期終わりに毎回教師アンケートを実施し、事態改善に役立てています。
件のW老師について、態度と教授法を改善してほしいという期待から
厳し目にアンケートを書きましたが、果たして意味があったのか不明。
W老師、その後…
その後W老師は、私以外の他の生徒からもかなりの不評が集まり
またその悪評が同じ進度にいる生徒内に口コミで広がったようで
次学期でW老師に割り振られた生徒全員がクラス変更希望を出し
授業を受講する生徒がゼロになったという噂を聞きました。
これに対し、学校の事務方が別の時間帯の同じレベルの学生に声をかけ
少人数で午前中(午前中の授業を希望する学生が多い)に受講できると謳い
クラス成立人数の6人をやっとかき集め、W老師のメンツを保ったとか。
当のW老師は未だにその教授法を変えずに、何食わぬ顔で教壇に立ってました。
そんなところを見ると、アンケート効果は限定的なようなので
改善が見込めないとすれば、早く別の先生を探した方が得策です。
実はクラスメートも重要
先生の教授法が自分の勉強に合うかどうかもさることながら
一緒に勉強するクラスメートも実は非常に重要だったりします。
しかし、世界各国色んなところから色んな人が集まります。
- 毎日熱心に勉強する生徒
- 授業で積極的に参加・発言し質問もする生徒
- 課題でお互いを称え合い切磋琢磨できる生徒
- 明らかに遊びに来ただけの生徒
- テストの時平気でカンニングする生徒
- 空気を読まず自分のことしか話さない生徒
- 他との交流を全拒否している生徒
私の場合、後に担当してもらったS老師のクラスでは
クラスメート7人のうち4人が台湾華語文奨学金受給者で
皆向学心が高くフレンドリーで、クラスの雰囲気もよかったので
授業後に皆でランチに行ったり、テスト前に勉強会したりと
毎日語学センターに通っていてとても楽しかったです。
在台日本人と交流し過ぎないように
台湾にいると、中国語での意思の疎通が難しいことにフラストレーションを感じ
日本語で思いを簡単に伝えられる日本人とついつい交流し過ぎてしまいます。
人脈・見識を広げるうえで交流・飲みニケーションは有用な手段の1つですが
馴れ合いでダラダラ付き合うのは、中国語学習の時間が奪われるのでお勧めしません。
とは言え、困った時は同じお互い様。困難に遭遇した場合は
ケース・バイ・ケースで日本人同士助け合いましょう。
あとがき
ここまで老師について書きましたが、台湾で学んでみて思ったのは
如何に自分に合った老師を探し当てるか、ということが非常に重要です。
老師の良し悪しは、個人の主観と感受性による合う合わないの部分が大きいので
一概に自分がいいと思う老師が皆もいいと思うとは限らず、その逆も然りです。
これから台湾留学される予定の方へ、僭越ながら申し上げますが
せっかく高い学費を払って、外国での貴重な時間を使っての留学ですので
納得するまでとことん学校選びと老師選びをすることを強くお薦めします。
台湾語学留学を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
では、881〜(Bābāyī、台湾でポケベルが使われていた当時バイバイの意)
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