哈囉〜(Hā luó=台湾人がよく使うフランクな挨拶言葉。英語のHelloの意)春風です。
2024年1月将来台湾の指導者を選ぶ総統選挙が行われ
民進党の頼清徳氏が台湾の新たなリーダーが選ばれました。
総統選挙と同時に立法院(日本の国会に相当)議員選挙も行われ
頼清徳政権は難しい政権運営を強いられています。
本記事では、台湾の政治について少しく解説したいと思います。
総統選挙と立法院議員選挙
台湾総統選挙及び立法議員選挙については
以下、NHKのサイトで詳細がまとめられています。
要約すると…
総統・立法院議員選挙ともに任期は4年。
国のリーダーたる総統は、各政党の総統候補の中から
有権者が支持する候補に投票する直接選挙で選ばれます。
立法院議員の定数は113。過半数を占めた政党が
予算審議・法案可決など優位に進めることができます。
4年に1度、1月に総統・立法院議員選挙が行われる度に
10月頃から選挙運動が徐々に熱を帯び12月には選挙戦が本格化します。
選挙カーに乗り込んだ候補者がマイクで大声を張り上げ支持を求め
日曜日の朝と夜のテレビニュース番組でも特別番組が設けられ
各政党の支持率比較や目玉政策などを比較取り上げたうえで
知識人やジャーナリストを招き白熱した議論が行われます。
↑2018年筆者撮影
日本と違うのは候補者や政党への支持を訴える看板でしょうか。
台湾では写真の様な大きな看板を街角でよく目にします。
二大政党制
1990年代に民主化されて以降、台湾では2つの大きな政党が
選挙を経て政権を交代しながら政治を行ってきました。
1つは、現総統・頼清徳率いる民主進歩党(民進党)でシンボルカラーは緑。
もう1つは、立法院議員数を増やした中国国民党(国民党)でシンボルカラーは青。
中国に対する両党の姿勢の違いを大まかに記すと
民進党は、中国との間に一定の距離をおく
国民党は、中国との融和関係促進を掲げる
また、どの政党の支持しているかを
各党のイメージカラーにになぞらえて言う場合が多いです。
例「他是深藍(Tā shì shēnlán=あいつは真っ青だ)」
=国民党の熱狂的な支持者という意味。
第三極の台頭
今回の総統・立法院議員選挙では第三極が現れ話題になりました。
その名も、台湾民衆党(民衆党)でシンボルカラーは薄緑。
党主席はかつて台北市長を勤めた柯Pこと柯文哲氏。
長年繰り返されてきた「緑か青か」や「独立か統一か」
といったゼロか100かのイデオロギー論争から離れ
台湾民衆の福祉を追求する現実路線が若者に支持され
今回の立法院議員選挙で8議席を獲得することができました。
しかし、今年8月に柯文哲氏の汚職疑惑が発覚し逮捕され
柯氏の人気が高かっただけに失望が広がり求心力が低下しています。
民草のイデオロギー
中国との距離感に基づく政治的スタンスを巡っては
台湾人の中でも意見が様々別れており
- 中国と統一して一つの中国になるべきだ
- 中国とは統一せず現状を維持し、国際的地位を高めるべきだ
- 中国から公式に独立し、名実共に『台湾』を建国すべきだ
と、一筋縄ではいかないのが現実。
↑2015年筆者撮影
台湾の政治史は
長らく外来政権(オランダ→鄭成功→清朝→日本→蔣介石国民党)
による政治が続いた影響から、台湾人の政治に対する思い
特に民主主義に対する思いは一方ならぬものがあります。
不用意に「どの政党を支持するか」と話をしようものなら
家族間でさえも意見の相違から言い争いが勃発することも。
言い争いはまだマシな方で、居酒屋などお酒の入る場所では
隣のテーブルの見知らぬ人とケンカになる事態も起こり得ます。
信頼できる友人間での意見交換ならまだしも、公共の場では
政治トピックを迂闊に口にしないようTPOをわきまえる必要があります。
台湾人が持つ政治に対する熱い思いは、日本の若者も学ぶべきが。
あとがき
簡単ではありますが台湾の政治について紹介しました。
日本人である私が、台湾の政治に対して支持不支持を意見する権利はありませんが
将来台湾がどのような道を進むことになろうと、台湾人民の選択を尊重します。
中華民国台湾は、自分達のリーダーと国の将来を自分達の手で選ぶことができる
民主主義の国ですから。
では、881〜(Bābāyī、台湾でポケベルが使われていた当時バイバイの意)
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