前の記事で副葬品と初七日を紹介しました。

引き続き、遺族の同意を得て撮影しプライバシーに配慮しつつ
今回小生が参列した台湾における葬儀の最後の儀式である
出殯(Chūbìn=出棺)と火化(Huǒhuà=火葬)を紹介します。
告別式

朝5時30分起床、告別式の朝は早く
会場に到着すると業者がいそいそと記帳台の準備をしていました。

故人を有志より偲びお花も届けられています。

告別式の会場は広いひさしのある半屋外の会場で執り行われ

室内は遺族が優先して座り、参列者があぶれた場合外に座ります。

恭しく故人を祀る祭壇。

業者の司会の下で告別式が始まり
まず遺族を代表してジャックさんの妻子が参拝。
その後時折来賓の参拝を受けつつ
師父(Shīfù=お坊さん)と共に一心に念仏を唱えました。
地元政治家の参拝
日本でも同様に告別式で政治家の参拝を受ける場合があります。

小生が参列した今回の告別式でも
来賓として台南選出の立法院議員(日本の国会議員に相当)や
地元台南市議会議員、そして台南市長の秘書が参拝しました。
台湾の法律では、政治家が金で票を買う行為を防ぐため
議員本人 or 秘書の参拝いずれの場合も香典は禁止されています。
出殯=出棺
告別式が滞りなく終わりいよいよ出殯(Chūbìn=出棺)です。

業者の男衆が先導して棺を霊柩車に載せた後
念仏を唱えるお坊さんを先頭に遺族は棺につながったロープを手に持ち
徐行する霊柩車と共に斎場の正門まで歩き

火葬場へ逝く故人に合掌、礼拝。
火化=火葬

親族が運転する車に分譲し火葬場までやってきました。
再び念仏を唱えるお坊さんを先頭に棺と共に遺族が中に入り
届け出を行うと火葬場の職員により火葬が進められます。

事前に火葬の予約をしていたものの
お日柄の関係なのか当日は多くの火葬が届け出されていて
職員曰く、約5時間待ちとの由。
一旦帰宅して休憩し火葬が終わり次第納骨することに。
故人と遺族に配慮し、火葬場内での撮影は遠慮しました。
納骨堂
午後遺族代表が火葬場で遺骨を受け取り
再び親族が運転する車に分譲し納骨堂に到着。

富貴南山紀念中心(Fùguì nánshān jìniàn zhōngxīn)
門を入って右手に金銀紙(Jīnyín zhǐ=お金を模した黄色い紙)

売り場があります。相場はこの量で100元=約480円。

門を入って正面にある焼却炉で金銀紙を焼き
納骨堂に眠る家族親族先祖に供します。

納骨堂に入るとクーラーがきいた心地よい空間に
旋律に合わせて唱えられる念仏が聞こえてきます。

こちらの納骨堂には各階各部屋に菩薩像・如来像があり
一区画ごとに眠る故人のご遺骨を守っています。

先にお坊さんと共にご遺骨に念仏をあげ
事前に契約購入していた区画へご遺骨を納骨しました。

妻エイミーのママ曰く、こちらの納骨堂は地元で非常に人気で
毎日決まった時間になると納骨堂が依頼したお坊さんが念仏をあげ
故人が極楽浄土で何不自由なく暮らせるよう祈念するのこと。
日本でいう所謂永代供養と同じシステムで

最初に費用を払えばその後追加費用は不要だそうです。
費用は約12万元~=約57.6万円から。
自らを省みる
納骨堂を後にし帰宅の途につく
ジャックさんの妻ルナさんと一人娘のキャリーさん。

最愛の妻と娘を残し一人極楽へ旅立たなければならなかった
ジャックさんの無念を想うと涙が止まりませんでしたが
辛く苦しい投薬治療から開放されたジャックさんは極楽で安らかに過ごし
この世に生きる家族親族の安寧を祈ってくれていることでしょう。

節目で節目で自身の行いを省みて
故人に恥ずかしくない生き方をせねばと思い直しました。
あとがき
以上納棺から告別式、出棺・火葬まで参列経験することで
日本と大きく違う習俗や副葬品など新たな知見を得ることができました。

最後に、ブログ掲載に同意してくれた遺族のルナさんに感謝申し上げ
故人を想い
合掌、礼拝。
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