哈囉〜(Hā luó=台湾人がよく使うフランクな挨拶言葉。英語のHelloの意)春風です。
台湾に滞在していると街角やテレビのニュースで
様々な宗教イベントを目にすることがあります。
その多くは旧暦カレンダーの祭日に開催されるもので
中華民国台湾政府が定める祝日の『三節(Sānjié)』も
- 春節(Chūnjié):毎年1月か2月頃、休暇期間は約1週間。
- 端午節(Duānwǔ jié):毎年5月頃、休みは1日だけだが週末に合わせて連休になる場合あり
- 中秋節(Zhōngqiū jié):毎年9月頃、1日だけだが週末に合わせて連休になる場合あり
旧暦カレンダーで決まるため、新暦カレンダーで暮らす一般社会では
祝日の日付けが毎年が変わります。

斯様に台湾の社会生活は旧暦及び宗教に密接に関係しているため
普段から宗教にうとい日本人からすれば、台湾で宗教イベントを目にすると
軽いカルチャーショックをさえ感じることがあります。

そこで本記事では、台湾中西部にある苗栗県竹南で見た
台湾道教の代表的な神様である媽祖のイベントを紹介し
そこから見える日台間の宗教に対する考えの違いについてまとめます。
台湾媽祖信仰の背景
前の記事でもまとめた通り
台湾では数多くの神様が各地で祀られていて、信仰する人も多種多様。
まさにダイバーシティの国。

中でも代表的なのが、海の神様媽祖(Māzǔ)

台湾人の多くが、17~18世紀明朝や清朝の時代に
台湾等の対岸にある中国福建省の潮州や泉州から
海を渡って台湾にやって来た漢族を祖先に持っていて
以降、島に媽祖信仰が根付き広まったとの由。
ちなみに、中華民国台湾政府が実効支配する離島の1つ
馬祖(Mǎzǔ)とは発音が違いますので注意しましょう。
媽祖誕生の物語

そんな媽祖の誕生エピソードは非常に具体的で誕生日もあります。
それもそのはず、媽祖は実在した人間が神様になったもので
司馬遼太郎著「街道をゆく 台湾紀行」でその話が紹介されています。
むかしむかし
福建省の莆田に林愿という人がいた。
その第六女が機織をしていると
魂が抜け出して海上で遭難しかけている父を救った、という。
父のかたわらで兄も溺れかけていた。
兄を救おうとしたところ
母が不審におもって彼女を呼び醒ました。
遊魂は彼女の体にもどり、このため兄は溺れた。
やがて成道し、天へ飛翔したのが媽祖である。

四方を海で囲まれた台湾に住む人々は、厄災から台湾を守り
あらゆる事が順調に進むよう願い媽祖に祈りを捧げます。
竹南の媽祖廟
媽祖の誕生日は旧暦の3月23日、新暦でいう4月の上旬頃で
その時期になると台湾各地で盛大なお祭りが開催され
台湾中西部苗栗県竹南媽祖廟でも見ることができます。

当日は信者による行進のため交通は規制され

打ち上げ花火を合図に、廟の入口を媽祖の神輿が練り歩きます。

すると後方で激しい爆裂音が。

台湾の吉日には付き物の爆竹です。
媽祖信者の行列がところどころで爆竹に火をつけて行進を開始。
媽祖の傍に立つ守護神、千里眼と順風耳。


次々と廟の中に入っていきます。

耳をつんざく音が鳴り止むと爆竹の燃えカスの山が残り
行列が過ぎ去ると信者がすばやく掃除していました。
日台宗教観の相違

このような行事を目の当たりにすると、日本に比べて
台湾は宗教に非常に熱心であることに改めて気付かされます。
今回紹介した媽祖に限らず関羽、孔子、もちろん仏教も信者が多く
週末各寺廟は参拝客でごった返し、時には念仏の大合唱
祭日ともなると街は一気に宗教色にその姿を変え
各地で非常に賑やかにイベントが執り行われます。

斯様に社会生活は宗教に密接に関係していて
非常にわいわい賑やかな台湾の宗教とは対照的に
日本では古来から万物に宿る神を崇め
6世紀に大陸より伝わった仏教がその信仰に加わり
閑静且つ厳かな空間で、それぞれが共存共栄してきました。

明治時代に入り非科学的な祈祷やまじないが禁止され
廃仏毀釈を経て現在の神仏習合+他宗教も尊重という形に落ち着きました。
恋人とクリスマスを祝い、神前で結婚式を挙げ、仏式に葬式を執り行うという
一つの宗教にとらわれることのない自由さが、日本人の宗教観かもしれません。

しかし、かつて日本中を震撼させた新興宗教団体による生物化学兵器テロや
敬虔な信仰心につけこんで信者に多額の献金を勧誘する事件が発生したことで
宗教に対して否定的な観念を持つ人もいる現代日本において
特定宗教団体の表立った活動やイベントを見る機会は少なくなりました。
あとがき

小生は無神論者で無宗教ですが、郷に入っては郷に従い
台湾で寺廟を見かければできる限りお参りするよう心がけています。
自身と自身の愛する家族の心身の健康、交通安全、無病息災を祈り
合掌、礼拝。
台湾にお越しの際は是非お参りしてみてください。
では、881〜(Bābāyī、台湾でポケベルが使われていた当時バイバイの意)

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